喘息~アレルギー性鼻炎とのかかわり


夏から秋、または冬から春といった季節の変わり目などに、ゴホゴホといつまでも咳がとまらなかったり、あるいはゼーゼーと苦しそうにしている人を、街中でみかけることも多くなりますね。


喘息(ぜんそく)」は、空気の通り道である気道(気管支が過敏となって、炎症が起きている状態を指します(気管支ぜんそく(社団法人日本呼吸器学会) ご参照)。

喘息の症状として、咳や痰、ゼイゼイ・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)、息苦しさなどがあります。

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大人の喘息のおよそ5割は、40歳を過ぎてからの発症といわれます。また高齢者の喘息は、60歳を過ぎた頃から増加傾向にあります。高齢者の喘息は小児から持ち越すことは少なく、ほとんどが成人後に発症します。

若い時に免疫力があって喘息を抑えこんでいた人でも、加齢によって免疫力が落ちて呼吸機能や肺機能が低下し、喘息を発症するのではと考えられています。


気道(気管支)に炎症が起きていることから、「気管支喘息(きかんしぜんそく)」と呼ばれます。 一般に喘息と言われるのは、この気管支喘息のことです。


ハウスダストやダニ・ホコリ・ペットの毛のアレルゲン(アレルギー反応)、風邪などのウィルス感染、あるいはストレスに起因する過敏反応などによって、気道の収縮が起こります。この気道の収縮が、咳がとまらないといった喘息の症状を引き起こします。

特に高温多湿な日本では住宅内にハウスダストがこもりやすいことから、布団や畳に潜んでいる「ダニ」が引き起こすアレルギー型喘息が多いと言われます。


喘息の症状を引き起こすメカニズムは一つではないため、症状に応じた原因の特定と治療が必要になります。

しかしながらアレルギーは特に関わりが深く、小児および成人の喘息の患者のおよそ5割が、アレルギー性鼻炎を合併していると報告されています。


気管支喘息は、これらのアレルゲンとの接触が原因となって症状が出る「アレルギー型」、タバコやストレス・冷たい外気などが原因でアレルギーは関わらない「非アトピー型」の、二つに分類されます。

成人や若者の気管支喘息が「アレルギー型」が大半なのに対し、高齢者は「非アトピー型」が多くなっています。


したがって、そのような患者さんは喘息の治療だけでなく、アレルギー性鼻炎の治療も並行して行う必要があります。それが同時に、喘息の症状を良くすることにつながるからです。


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喘息の発作~症状改善後の放置リスク

喘息


気道(気管支)に炎症が起きたとき、そのまま放置しておくことは危険です。

通常はアレルゲンやウィルスの刺激が、現在の状態をさらに悪化させるからです。

たとえ一時はげしく咳き込んだ後に落ち着いてさほど咳が出なくなったとしても、治療をしない限り気道内の炎症細胞は増え続けます。


症状が落ち着いてきたように見えても、炎症がさらに悪化し続け、気道もますます狭ばるのです。

そしてちょっとした気温の変化や風邪などをきっかけに、以前よりさらにひどい喘息の発作を起こすことも、決して珍しくありません。


近年の研究により、気管支喘息はある程度の期間炎症が持続すると、粘膜が厚くなって元に戻らなくなる可能性が高いことが判明しています。

したがって早期に炎症を治療したり、あるいは気管支の炎症が進まないよう長期的にコントロールしていくことが、極めて大切になります。


特に3週間以上せきが長引いているような場合は、原因が複合して症状が合併していることも考えられるので、ただ咳どめ薬を飲んでいるだけでは治らないケースもあります。


咳を1回することで2キロカロリーが消費されると言われますが、一日咳が続くと2,000キロカロリー以上ものエネルギーが無駄に使われることになります。


そのぶん体力も削られるわけですが、そうなるとつい市販の咳止め薬に頼りがちですね。

しかし咳止め薬はせき中枢に作用して咳を鎮めることで、体力の消耗こそ防ぐ効果があるものの、気管に生じているトラブルそのものは何ら改善しないことに注意が必要です。

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咳が長く続くこと以外に目立った症状がない場合、一般に呼吸器の専門家は数が少ないこともあってか、原因不明とみられたまま放置され、さらに症状が悪化するケースも少なくないようです。


したがって、喘息の症状が週に1回、あるいは月に数回程度ひどいときがあるが、普段はなんともないので病院に行かず放置している…といった方こそ注意すべきであり、はやめに専門医の検査を受ける必要があります。


喘息治療に対する意識の高まりもあり、昔に比べると数は減っているものの、喘息は最悪の場合、呼吸困難による死につながるケース(喘息死)も多いことはご存じでしょうか。これは「気管支喘息発作重篤状態」と言われるものです。


喘息で呼吸するのも困難になり、チアノーゼ(顔や唇・肌が紫色になってくる)がみられる状態になってしまうと、もはや一刻を争う状態で、急いで病院へ搬送して人工呼吸治療などを行う必要があります。


死亡者数こそ大きく減っているものの、いまだ全国で1,500人強の方が、喘息による発作で亡くなられている(2014年現在)のです。死亡者数においては、軽症・中等症の喘息であっても重症者との間にそれほど差が無い点も、注目すべきです。

ちなみに喘息による死亡率は、男性にくらべて女性が高い傾向があり、また60歳以上の高齢者の割合が高くなっています。

統計によると、都道府県によっても死亡率が大きく異なっていますが、これは「吸入ステロイド薬」の普及に地域差があることの影響とされています。


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喘息の治療~治療薬と吸入器の注意点


気管支喘息の治療は、「急性の発作を起こしている場合はその治療」を、また「慢性喘息の場合は発作の予防」を、それぞれ主眼として行います。


気道の炎症を抑える、あるいは気道(気管支)を拡げる作用を持つ薬剤(気管支拡張剤)の使用が、投薬治療の中心となります。

吸入薬(吸入ステロイド薬)や、内服薬(抗ロイコトリエン薬)などが使用されます。


「ステロイド」には吸入薬と経口薬がありますが、現在の喘息治療においては、吸入ステロイド薬が基本となっています。

経口薬に比べ摂取量も少なく、声がれ・口腔内の違和感程度と、副作用も少なく抑えられるメリットがあるためです。

最近は吸入薬の種類が増えており、1日の吸引回数が少なく済む薬など、患者側の選択肢も増えてきています。


これらの薬を定期的に使用することで、気道の炎症を抑えて喘息が起きないよう予防的にコントロールを行うとともに、もし症状がでてしまった場合でも、その発作がひどくならないようにします。

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薬もまた、「急な喘息の発作が起きたときにそれを鎮めるために使うもの」と、「症状予防のために毎日規則的に使うもの」とに分かれています。


急な発作をしずめるときは、気管支を拡げる作用を持つ薬を使うのですが、それだけを使い続けても、気道内の炎症がそのまま放置され、症状の悪化が続くケースがあるからです。


喘息の治療では薬ごとに目的が異なるので、医師の指示に従い使用することが大切です。

たとえば「アトピー型喘息」は後述する「咳喘息」と症状がよく似ているものの、咳喘息に有効な気管支拡張薬を投与したところでまったく効果がありません。


なお自宅で吸入器を用い、水や治療薬などを霧状にして吸入して気道に加湿を与えて、その通りをよくするとを目的とした「エアゾール療法」も、今日では広く使われれています。

ちなみに吸入器の使い方が不適切なために喘息の症状をうまくコントロールできないケースが現実に少なくないため、自己流の使い方は禁物です。


近年は気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」と気道を広げて症状を緩和する「気管支拡張剤」の2種類の薬を、一つの吸入器で同時に吸入できる配合剤も使えるようになっています。

これもまた、専門医の指導のもと投与される必要があります。


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咳喘息とは~気管支喘息との違い


気管支喘息のほかに、「咳喘息(せきぜんそく)」という言葉をお聞きになったかもしれません。

咳喘息はアトピーや花粉症の患者が併発しやすく、特にアレルギー体質の女性に多いと言われます。


咳喘息は「発作を伴わない咳や呼吸困難」を主な症状とするもので、喘息(気管支喘息)の前段階に位置づけられています。

気管支喘息ほど症状はひどくないものの、気道が過敏になっていて、なんらかの炎症も起きている状態です。


また咳の感じや出方も、咳喘息と気管支喘息で違いがあります。

まず咳喘息では、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜいめい)の発作や、呼吸困難の症状は見られません。

たんを伴わない比較的短い空咳が断続的に出て、一定時間が経つといったん止みます(その後断続的に、同様の症状が出ます)。

これに対して気管支喘息の咳は、喘鳴と呼吸困難を伴うものが多く、また痰を伴った咳がかなり長い時間続いて苦しくなりがちです。

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実は咳喘息を見分ける検査方法は固まっておらず、気管支拡張薬の吸入で症状がある程度改善するようであれば、それをもって咳喘息と診断しています。

アプローチが逆のように見えますが、聴診器をあてても喘鳴が無く、胸部レントゲンや呼吸機能検査でも正常と出てしまう咳喘息の検査は、専門医にとってもそれだけ難しいわけです。


いずれにしても咳喘息は確定診断の難しい病気であり、原因がさまざまに考えられる時は治療法も分かれてくるため、治療は長い間根気よく続けることが必要す。


咳喘息は最近非常に増えてきていることに加え、咳喘息の3割程度が、気管支喘息にそのまま移行してしまうといわれています。

風邪が治ったのに咳だけがいつまでも続いている場合や、もともとアレルギー体質の方などは、咳喘息あるいは「アトピー咳嗽(がいそう)」を疑ってみる必要があります。


アトピー咳嗽(がいそう)はアトピー体質の人に多く、症状も咳喘息とほぼ同じです。

ただし治療法には大きな違いがあり、咳喘息の治療に使われる気管支拡張薬は、アトピー咳嗽には効果がありません。吸入ステロイド薬や抗ヒスタミン薬の服用による治療が行われます。

ちなみに、アトピー咳嗽から気管支喘息に移行することはありません。


40歳以降の長期喫煙者で咳が長く続き、咳止めを飲んでも止まらないような場合、咳喘息やアトピー咳嗽以外にも「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」を疑う必要があるかもしれません。


慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、(受動)喫煙や老化を主な原因とする、肺の炎症による機能低下・呼吸困難を症状とする病気です。

聞きなれない病名ですが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)による国内の死亡者数はおよそ1万6千人(2012年)に達し、死因としては第9位に位置しています。

喘息と合併すると肺炎を併発するリスクも高まるため、禁煙および投薬治療が必要です。


咳喘息の治療は気管支拡張薬によって咳の状態を良くした後、その後診断に応じて、吸入ステロイド薬や抗アレルギー剤を処方するのが一般的です。

軽い場合は気管支拡張薬のみでOKですが、症状が重い場合は吸入ステロイド薬が併用されます。


注意したいのは、薬の使用によって咳が収まっても、その後3ヶ月程度は治療の継続が必要なことです。

咳が収まったとしても、完治していないケースが多いためです。


一般に咳喘息は咳だけが長期にわたって延々と続き、それ以外の症状が見られにくいこともあって、患者も病院に行かず症状を放置しがちと言われます。専門医による「咳喘息のための治療」を、早々に始めることが最善です。


気管支喘息・咳喘息ともに、適切なタイミングで正しい治療を行えば、発作をほとんどゼロにして通常の日常生活を行うことができます。

また症状が改善すれば、薬の量も減らしていくことができます。自己判断を避けて専門医の指導のもと、希望を持って治療に臨むことが大切です。


いずれにせよ、まずは「気管の炎症を抑える治療」が必要となりますので、咳が長期間続くようであれば、早めに呼吸器科などで治療を受けるようにしたいものです。

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